【24】最上のわざ
この世の最上のわざってなに? それは、楽しい心で年をとる、 それは、働きたいときに休み、 それは、喋りたいけれども黙り、 失望しそうなときは希望し、 従順に、平静に、おのれの十字架をなう・・。 若者が元気いっぱいで神の道を歩むのを見てもねたまず、 人のために働くことよりも、...
【23】あなたは強くなれるのだから
1876年、彼女はニューイングランドにある精神病院にいました。 アニーと呼ばれる、まだ幼い10歳の女の子です。 1866年4月16日。アニーは、アメリカ東部マサチューセッツ州フイーディングヒルズに移住したアイルランド系移民の貧しい一家の長女として生まれました。...
【22】祈りの手
今から500年前のお話です。 デューラーとハンスという二人の若者がドイツのニュールベルグの町に住んでいました。 二人はとても貧しい家に生まれましたがとてもなかよしでした。その理由は二人とも画家になりたいという夢を持っていたからです。...
【21】ウソの物語
ある町のはずれにうす汚い大きなネコの木像がありました。 そこは草がしげり木像の姿はかくれているようでしたが、ひょっこりと見えるネコの顔は笑顔に包まれていました。いったい誰がつくったのでしよう…。 しかし、とても汚い。子どもたちが落書きをしたのでしょうか…。からだ中に泥をかけ...
【20】優しい嘘
『大好きなパパへ』 世界で一番大好きな私のパパ。 私のパパは世界一カッコイイ。 私のパパは世界一オシャレ。 私のパパは世界一頭がいい。 私のパパは世界一優しい。 パパは私のスーパーマンです。 パパは勉強も応援してくれています。 とにかく、私のパパは最高です。 でも・・・...
【19】母の席に座ってください
5年生の担任として就任した時、一人服装が不潔でだらしなく、どうしても好きになれない少年がいました。先生は、中間記録に、少年の悪いところばかりを記入するようになりました。 ある時、先生は1年生からの少年の記録を目にしました。...
【18】鏡の向こう側
自分の顔を鏡に映してみたら、そこにはかあさんと、とうさんの顔がありました。 わたしは、かあさんにそっと話しかけて見ました。 「かあさん、かあさん、ねえ、かあさん。かあさんは元気?今、どこにいるの?」 鏡に映るかあさんは何も答えてくれません。...
【17】鶴の願いごと
最後にできること 最後にしたいこと 最後だからできること あなたは人生の最後に何をしたいでしょう? わたしは今、とても悲しい。 八月の暑さと、啼きやまない蝉の声を聞くと思い出します。 わたしの名前は禎子。十二歳と少しの女の子で小学六年生になったばかりです。...
【16】悪口日記 ─あるヘルパーさんからの手紙より─
私はホームヘルパー一年生です。 本来はこの仕事、あまり好きではありませんでした。 なぜ始めたのかって・・・不謹慎かも知れませんが、「やることが何もなかった」からです。ホームヘルパーは訪問介護ともいい、介護を必要とするお年寄りや身体の不自由な方の家庭を訪問して、日常生活の援助...
【15】最後の五分間
彼は光が差し込む小さな窓から遠くを眺めていました。 外の世界はまるで時間が止まっているかのように、ゆっくりとゆったりと流れているように感じていたのです。 風はなく、空に浮かぶ雲は流れず、青空はそれでも碧く。 小さな窓からでも充分に感ずることができました。...





