August 31, 2020

歳を重ねると、誰もが自分の身体の異変を感じるときがきますね。

腰が痛くなったとか、身体の節々の関節に痛みを覚える、とか。そうやって誰もが歳を受け入れていきますね。

そして、もう少し若ければもっと動けたのに、と嘆きます。さらに日々の仕事は病院通いとなり、院内では患者同士の病気自慢に花が咲きます。

このように誰もが歳を取ることに対して言い訳して生きる人生へと大変化を遂げていきます。しかし、歳を取ることに不平や不満、文句や愚痴などを言い続けたとしてもそれは自分に対する言い訳だけで、結果、何も残るものではありません。

私は、この状況をあべこべに考え...

July 17, 2020

「ねえ、ねえ、パパ。

どうしてこの国は駄目になったの?」

「そうだね、あれは今から四〇年前、新型コロナウイルスが蔓延し世界中が変貌を遂げてしまった。人々は何が真実で、何が誤りなのかがわからなくなり、何よりも生きる希望を失ってしまったのだよ!」

「どうして、生きる希望を失ったの?」

私は、今から四〇年前のことを思い出した。

当時はウイルスといえばインフルエンザが騒がれていた。当時の記録を見ると年間感染者数一〇〇〇万人、死者数約四〇〇〇人関連死を入れると約一〇〇〇〇人だった。

新型コロナウイルスの場合は感染者数約一五〇〇人、死者数約四〇〇人、わが国...

July 17, 2020

Awakening(めざめ)

「ねえ、ねえ、おとうさん。

あのときのお話しをもう一度してくれる?」

あのときの話ってなんだっけ?

「わたしが生まれたときのウイルスの話よ、もう一度だけ聞かせてほしいの!」

遠い、遠い昔の、つまらない話だよ!

「でも、聞きたい!」

わかった、わかったからちゃんと布団に入って静かに聞くんだよ。

かつてパパとママが若かったときのこと。

その世界はとても贅沢な時代だったけど、お金持ちと貧乏な人々がともに生きていた。お金持ちはもっともっと贅沢を望み、他の国まで出向き儲かることばかり考え、政治家も自分の名誉や欲ばかり追い求めていた...

May 4, 2020

母親のアン・ジャーヴィス

いまから百年前のこと、五月にこの世を去った母親のアン・ジャーヴィスという女性がいました。その娘のアンナは心から母を尊敬し愛していました。

母のアン・ジャーヴィスは、一一人兄弟の中で生まれ育ちましたが当時のウエストヴァージニア州は医療水準が低く、その中で成人したのはアンを含めてわずかに四人だけでした。

母親のアンはそのような環境で育ったせいか敬虔なクリスチャンとなり日々、教会で祈り続けていました。そして、地域の医療や衛生環境の改善をするためにボランティア団体を組織し、地域の医療補助活動を続けたのです。

特に一八六一年...

May 4, 2020

人は見えないものを信じる人は少ない。見えるものだけが真実で、見えないものの価値が低いこの世界。見えないものって人の思いやりや愛情ですが、それを感じない人も多い。別にそのことを感じないことは悪い事ではないのですが、見えるものよりも見えないものの方に真実が隠れていることを知っているでしょうか?

今までは電車やバスに乗るとほとんどの人がスマホを手にしていたが、今はマスクにメガネ、そして手袋を着けている。何よりもマスク越しの目は冷たく感じるのは私だけなのでしょうか…。

一 電車の中で咳き込む女性がいた。その女性に対して「電車から降りろ!」と怒鳴...

May 4, 2020

月曜日の男=Man of Monday

月曜日は一週間のはじまりのとき、日本やアメリカのカレンダーは日曜日から始まるが、生活のリズムとしては仕事始め、月曜日からがはじまりのとき。しかし、日本の男性の自殺は月曜日に集中しているという。

彼は月曜日の朝から憂鬱、頭と心が重かった。何よりも車の騒音、電車の音、人の声が心に重くのしかかる。ああ、これが一週間のはじまりだからだ。そう、誰も仕事に生きたくないと考えるとき。

火曜日の男=Man of Tuesday

火曜日ははじまりの2日目。まだまだ周りは慌ただしく騒がしいとき。誰からも遊びに行こうとは誘...

February 25, 2020

「かなしいねことふたりごと」

もう、お別れなの?

もう、さよならなの?

あなたは何を話そうとしているの?最後に何を伝えたいの?

あなたの全身は冷たくなり、私はあなたを抱きしめながらあたため続けた。

そんな私を腕の中であなたは私の瞳を見続けている。声を上げるわけではない。身体が動くわけではない。ただ、静かに息をして何かを見つめ続けているあなた。大きな黒い瞳のまわりに涙が見える。

あなたは今、何を考えているの?ねえ、ねえ、本当にもうお別れなの?私はあなたの細くなった身体を摩り続けた。

そう、もうすぐお別れよ。

そう、もうすぐさよなら…。

わたしはあなたに...

February 25, 2020

かなしいおうち

ある山の中に一軒の家がありました。

かなり古い家なのですが辺り一面には野花が咲き誇り、春の訪れと同時に花の園となります。昔は多くの村人たちや旅人がこの咲き誇る花々を見ながら多くの人たちが楽しんでいった場所でした。この古い家はその人たちのためにあるかのように休憩場所にもなっていたそうです。

そのためこの古い家は雨が降ろうとも雪が積もろうとも、嵐が来ようとも葉を食いしばってその人たちのために耐え続けて来ました。

この古い家にはいつから人が住まなくなったのでしょうか。瓦葺の屋根、太い古材が使われている柱、広い玄関の土間、長い板張り...

December 16, 2019

 死のうかとおもう

死のうかと おもう

その考えが

ひょいと のくと

じつに

もったいない こころが

そこのところにすわってた

詩 八木重吉

すべての物事は、「NO(否定)」すると離れていきます。

否定すれば、何もかもが否定となります。

辛いことや嫌なことが起こると、人は否定します。

自らを否定すれば、相手をも否定してしまいます。そして、何も見えなくなります。たとえ周りに良いことが起こっても、それさえも否定してしまいます。すると人生は真っ暗闇になります。私の場合、子供の頃から自分を否定することによって自分を守(逃避)ってきました。それ以外に自分の人格を保...

December 16, 2019

老年の心得

人生は不思議である。

それは誰もが必ず歳を取り、同じ立場となることだ。

いつのまにか、わたしの人生も最終にさしかかってきた。

今年も相変らず病院通いが続いている。

病院は、喜びと哀しみを背と腹にして生命の尊さが同居する場所でもある。

壮健な人と病弱な人を比べた場合、明らかに病弱な人の気持ちの方が温かい。

その温もりは、病気で苦しんだ者が会得した幸福感からくるものだろう。

そしてその幸福感の源泉は、辛い病をも感謝に変容させる精神性によるものだ。

以下は、ある病棟の壁に貼られてあった「老年の心得」という名もなき人の文である。

老年になると、人は...

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