【33】とどかない言葉
あれから、どの位の時が経ったのでしょう・・。 忘れようとしても、どうしても忘れる事ができません。 私は寂しくなると、携帯電話を手にします。 その携帯電話はあなたと私の唯一残された通信手段だからです。 私は毎日、あなたの携帯電話にメールし語りかけています。...
【32】天空の世界
扉をあけたら、そこにはいつものように父や母がいました。 二人はわたしを笑顔で優しく迎えます。 「元気だったかい・・」 「久しぶりだね・・」 すぐさま、母は台所で料理を作りはじめました。 父は、お酒を呑みながら新聞を広げています。...
【31】もうひとつの世界から
僕は星になった・・ここは何もない世界。 静かな、静かな水の中。 深く沈んでいく‥誰もいない・・。 宇宙をさまようかのように漂う、そんな気分になっていた。 寒くもなく、暖かくもなく、静かな世界。そして一人きり。 もう何年‥いや数分なのか。時間はわからない。...