【10】奇跡のブルーリボン ─Who I am makes a difference─
高校を卒業して、これから社会に出ていく生徒たちに最後の贈物をしたいと、一人の教師があることを思いつきました。それは、一人一人が素晴らしい存在であることを伝えることでした。 教師は生徒一人一人を檀上に呼び、 「あなたは、先生にとってもクラスのみんなにとってもかけがえのない人で...
【09】さくらの花びらが散る頃に
ネズミさんは夜になると動きはじめます。 なぜかというと、明るい太陽の下では、すぐに悪い奴らに見つかってしまうからです。 若い頃のネズミさんには夢がありました。 それは映画のワンシーンのようにステキな人と出逢い、恋をして結ばれ、子どもたちをたくさんつくって、明るい太陽の下に自...
【08】ある晴れた日曜日
ある晴れた日曜日、私はいつものように一週間の仕事のまとめをして、翌一週間の予定をまとめていました。すると、事務所扉をノックする音が聞こえました。 突然の訪問者です。 扉を開けてみると六人の訪問客で、突然私に聖書を見せて読み始めました。...
【07】梅の花の下で
私は、ある葬儀に出向きました。 とても静かな葬儀が終わり、お墓の納骨までお付き合いすることになりました。あたりは梅の花と梅の香りでいっぱいの山の中にある墓地です。 納骨には、亡くなった夫の妻と一人息子、私の親友とその妻のわずか五人でした。...
【06】鏡の嫌いなわたし
どこの家にも鏡があります。 朝顔を洗い、歯を磨き、髭を剃り、女性はお化粧やヘヤーセットで大忙し。男性より女性の方が鏡に向かう時間が多いですね。 でも、この鏡というのは自分の顔や姿を映し出すだけではなく、もう一つの世界、もう一人の自分が見る世界です。...
【05】不機嫌なわたし
私は、会う人、会う人に、 「元気がないね…」とか、 「調子が悪いのですか…」 「疲れているようですね…」といわれます。 私は自分ではいつも元気で調子も良いし、疲れてもいません。 ですから、いつも不思議に思っていました。 ある日、スーパーに出向いたとき、可愛らしい女の子がいた...