【89】100万回目の人生
- ひかる 富樫
- 2019年10月15日
- 読了時間: 2分
101万回目の人生
100万回生きたねこという童話があった。
たしかこんな内容だったと思う。
一匹の猫が100万人の飼い主とともに過ごし、100万回可愛がられ、100万回愛されて生きた。100万回生きたその猫は、自分が100万回生きてきたことを自慢していた。
100万回生きた猫は、101回目の人生で白猫に恋をする。
二人はいつも寄り添い合い、子どもたちにも恵まれて幸せな日々を送る。
しかし、100万回生きた猫の愛した白猫が、ある日突然いなくなる。
白猫は死んでしまったのだ。
100万回生きた猫は生まれて初めて泣いた。
100万人の飼い主に愛され、大切にされた猫は、飼い主たちの死に泣くことはなかった。
100万回生きた猫は泣いたことがなかったのだ。
100万回生きた猫は、白猫を想って100万回哀しみ、100万回涙したあと、死んだ。
100万回生きた猫は、101万回目でやっとその人生を終えたのだった。
さて、あなたはこのお話しをどう感じるでしょう?
人生は1回限り、2回限り、10回限り・・。
人生が1万回限り、10万回限り、100万回限り・・・。
100万回生きた猫は教えてくれます。
100万回生きることが素晴らしいのではなく、たった一度の人生の中で、心から愛する人と出会い、愛し、愛されることが何よりも大切な、生きるということだと。
生きていれば、辛いと感じる時もあるかもしれません。しかし、「人生はあなたが思うほど悪いものではない」という歌があるように、誰もが素敵な人生を生きているのです。
100万回生きられても、一回限りでも、そんなことは取るに足りないことなのです。
105歳まで生きたジョージ・ド—ソンは言いました。
「100年なんてあっと言う間に過ぎていく、200年、300年あっても同じだと想う・・」と。
©Social YES Research Institute / CouCou
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