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【76】恐怖心が自分を守ってくれる

アメリカの有名な作家ルーサットは大変な恐がりで、これをなんとか克服したいと思っていました。そして、それを克服するために考え出したのが、その恐い状況に自分を追い込んでいくという方法でした。

恐怖心を抱かざるを得ない状況に置かれても、その恐さの正体を見つめ続けていくことによって、必ず恐怖心を克服できるとルーサットは考えたのです。

ルーサットが一番恐かったものは蛇なのですが、わざと森や野原に出向いて何度となく蛇に出くわし、これをじっと観察していたところ、面白いことに、だんだんその蛇に対して恐さがなくなっていくことを発見しました。だからといって、蛇を好きになるわけではありませんでしたが、ルーサットはこうして恐怖心を克服していきました。

恐怖心について彼は、「恐怖心に打ち勝つには、自分の中にある恐怖の対象と対決することが大切だ!」と言っています。

恐怖の対象と対峙することによって恐怖心が薄らぐのは、恐怖心を抱かせるモノゴトについて、自分自身の想像で実体以上のモノゴトに膨らませてしまっているか、あるいは実際にはさほど恐れる必要がないのに、勝手な想像でモンスターを生み出している場合が多いのです。何ごとも想像が実体を過大にしてしまうのだから、恐怖の正体と対峙すれば、自分が思うほど恐ろしいモノゴトではないと気づき、その恐怖心は薄れていくのです。また、その恐怖心こそが自分を守る最大の武器になっていることにも気づくことができるのです。

恐怖心のない人はいません。

恐怖は避けて無くなるものでもありません。

だからこそ、恐怖心を受け入れる。

すると、その恐怖心は消えていく。

では、恐怖心を受け入れるとはどんなことでしょう?

それは、その恐怖心に対して行動を起こすことです。

自分が生み出した恐怖心を自分のためにどう克服したら良いのか?

その方法を求めて動き出すことです。

手っ取り早い方法としては、自分が恐れていることを誰かに話して、その対策を話し合い、数人からの助言を得ることが解決への近道となるでしょう。

これは自らの行動のひとつです。こうすることで恐怖を分散、発散させることができ、自分が感じている恐怖が実体以上のことだとわかります。

恐怖心は危機に対する防衛本能(防御反応)で、副腎皮質から出たアドレナリン(ホルモン)が血管を通ることで肝臓を刺激してグリコーゲン(ホルモン)を分泌し、そのグリコーゲンが血管から全身の筋肉にまわって闘争体勢に入るといわれています。

危機に対して人間を奮起させて、逃げる、闘うなど、その危機に対して適切な処置をとらせるのです。こうした科学的根拠からしても、恐怖心は人間を守るために重要な役割を果たしていることがわかります。

世の中には冷静な対処ができないことで恐怖心を募らせてしまう人が多くいます。

そうした人たちは自らの想像が恐怖を生み出していることに気づかないのです。

恐怖心とは無知による「不安」「心配」、「幻想」「妄想」といえるかもしれませんね。

©Social YES Research Institute / CouCou

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