【74】ベンジャミン・フランクリンの言葉

April 9, 2019

今から150年前に、あることを発見した大セールスマンがいました。この大セールスマンの名はベンジャミン・フランクリン。フランクリンは、2200年前にギリシャのアテネにいたある人物から、この発見の基となるアイデアを学んだといいます。その人物は、かの有名な哲学者ソクラテスです。ソクラテスは独自の質問法によって、歴史上でもごくわずかな人たちにしかなし得なかった事柄を成功させ、それまでの世界観を変えました。

 

若い時のフランクリンは強引で、議論により相手を説得しようと、激しく強い論法で人に接してきため多くの敵をつくり、世間となかなか歩調をあわせることができませんでした。我が強く、強引で頑固であったため、周囲の人たちは傍にいられなくなり、フランクリンはひとりぼっちになってしまいます。頭脳明晰で感性が鋭いフランクリンは、他人が自分よりも劣っているように感じていたのです。

そんなときにフランクリンはソクラテスの質問法に出会い、学び、その技術を体得し、自分の考え方を大きく変えました。フランクリンは自らの反省とともに次のように記録を残しています。

 

「私はこの方法を実行したため、私がときどき、議会を通過するように尽力してきた注意について、人々を説き伏せなければならないような場合が起こったときも、非常に益するところが大であったと信じている。思うに、会談の目的は、事実を相手に教えたり、教えられたりすることにあるのだから、たとえ善意の懸命な人たちであっても、われわれに対して演説するときも態度が独断的であったり、傲慢であったりすれば、その意見ひとつひとつに対して、とかく反対や妨害を受けがちであるから、自然、自分の持っている最もよい考えでさえ遂行する力が弱められることになる」

 

「自分の判断によると、明らかに間違っていると思われる事柄を、他人が正当なもののごとく主張する場合には、これに対して無作法に反撃を加えて痛快がり、その主張の不都合な点を即座に指摘して得意になるようなことは、できるだけ避けるように私は自制している」

 

「すなわち、同じ反対意見を述べる場合にも、憎々しいものの言いをせず、誰にでもわかるような説明と注意深い言い方で、切り出していくよう努力している。このように態度を変えた結果は、私にとって非常に有利であった。以前に比べると、人との対談がとても愉快に進められるようになった。私は自分の意見を提案する場合に、謙遜な態度をもってしたので、相手方に受け入れられやすくなると同時に反対する者も少なくなった。また、私の誤りが発見された場合にも、相手方から激しい攻撃を受けて、苦しめられるようなことも少なくなったし、私の意見が正しいということが認められた場合には、相手方の間違った意見を撤回させ、私に同調するように説き伏せることも、いっそう容易になってきたのである」                      ─ベンジャミン・フランクリン

 

話すことが好きな人は多いものです。

お互いが楽しい話であれば何十分、何時間と話してもおもしろいかもしれませんが、現実には退屈な話が多く、長時間話したからといって、伝えたいことが相手に伝わるともかぎりません。伝える側は、自分が話した分だけ相手に伝わっていると思いがちですが、「聞く」ことが、自分の考えや相手の考えを理解する最短の途だと考える人は少ないものです。

「人を納得させるコツ」は、聞く力、質問する力にあると、ベンジャミン・フランクリンは唱えています。

 

デール・カーネーギーも、「世の中で人にあることをさせるように口説く方法は、たったひとつしかない。それは、その人が何となく自発的にそのことを実行したくなるように、上手に道案内してやることである」と述べています。

 

よくこんな人も見かけます。

言っていることはたしかに正しく、理論も知識もしっかりとしている。しかし、まったく自分の考えが伝わらず、むしろ相手から反感を得てしまうというケースです。相手のことを思って話したことが、なぜか誤解されてしまうのです。

 

「こんなアイデアを考えていて、こうしたいと思っているのだけど…」

こんな話をされたときは、どう答えていくのが良いでしょう?

 

「そのアイデアはねえ、こうして、ああして、こうすればいいよ!そうしないとダメ!ここのところは注意して、最終的にこうすればいいと思う…」

 

こんなアドバイスをする人が多く見受けられますが、相手がそのアドバイスを喜んで聞き、理解しているかといえば違います。逆の場合もあるということです。逆の場合とは反感を与えているということです。

一見、相手のことを思うアドバイスに見受けられますが、このようなアドバイスが不適切であるところはどこでしょうか?

相手より知識や経験が多いと、人はつい説明したくなるものです。もちろん善意で、自分の経験や知識が相手の役に立てば嬉しいと思って、「こうしたほうがいい」、「ああしてみたらどうか」、「こうしなければダメ」とアドバイスします。もちろん、好意的なアドバイスは悪いことではないのですが、結果として相手が不快に思い、さらに反感を抱く場合もあります。

実は、好意の持ち方の誤りが反感を生んでしまうのです。それは、言葉の中で相手を否定してしまっているからです。誤った好意は、自分の考えや決めつけを相手に押しつけることなのです。

 

「たとえ善意の賢明な人たちであっても、われわれに対して演説するときの態度が独断的であったり、傲慢であったりすれば、その意見のひとつひとつに対して、とかく反対や妨害を受けがちであるから、自然、自分の持っている最もよい考えでさえ遂行する力が弱められることになる」

 

知識や智恵を持つと、人は上位意識を抱くようになり、ついつい教え諭すようになります。教えようとする意識は独断的であったり、傲慢であったり、もの言いがきつくなったりします。自分の意見で相手を否定してしまいます。そして、自分の思い通りに相手が受け取らず、行動しなければ腹が立って怒りだしたりもします。いくら自分の考えが正しくとも、これでは相手にはまったく伝わらず逆効果になってしまいます。

 

相手を理解し、肯定することが相手を納得させること。

 

「相手を否定しない」という思いが、相手を理解することにつながります。つまり、アドバイスの中に否定を取り除くことが、本来の「良きアドバイス」といえます。

こちらの不理解から相手を否定してしまい、誤解が生じて自分の考えがまったく伝わらなくなるというケースが多いものです。では、どうすれば自分の考えを正しく伝え、誤解を最小限にくい止めることができるでしょう?

 

「こんなアイデアを考えていて、こうしたいと思っているのだけど…」

こんな相談事には最初から自分の考えで意見し、こうすればいい、ああすればいいという結論的なことを言わないことです。(※注・ここでは「アイデア」としていますが、「その人の考え方」「悩み」「相談ごと」「迷い」と他すべてのことをいいます。)

「ああ、そう。どんなアイデアなの?」

「どうしてそうしたいと考えているの?」

「どのようにしてみたいの?」

「どのようなことに注意しているの?」

「最終的にはどうしたいの?」

このように、聞き手が結論を出さず、すべてを質問形式にして相手の話しや考えを聞くことです。これは議論や会議の席上でも同じです。自らの考えや意見を言うのではなく、相手の考えや意見を徹底として聞くことが、相手を納得させるコツです。

 

「人は自分の考えや意見を聞いてもらうことで自らが納得し、はじめて他者の考えを聞き入れることができる」

 

さて、あなたはどうでしょう?

結論を急ぎ、その結論にならなければ腹が立ち、自分の思う通りにならないイラ立ちから相手に反感を持たれ、誤解されていないでしょうか?

 

 

©Social YES Research Institute / CouCou

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