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【14】幸せを呼ぶ魔法の言葉

十数年前の話。

私は、ある人の紹介で韓国のおばちゃん金桂花(キム・ケイカ)さんと出会うことができました。

このおばちゃんはとても背が低く、まるで小さなこどものようで、とてもかわいらしい人です。七十歳代後半で、韓国ではとても有名な人でした。

当時、私は人生に迷っていました。人生のすべてを失い、これからどう生きていったらいいのか、どう希望を見いだせばいいのか、迷いに迷っていたときのことでした。

金桂花さんは一日に何百人もの人と会い、その一人一人に魔法の言葉をプレゼントする不思議な女性でした。

もちろん日本語など話せず、隣には同時通訳者がいます。

一日に何百人という数ですから、一人当たりの時間はわずか数秒、数分程度。まとめて何十人、何百人を相手にします。

そこで金桂花さんは幸せを呼ぶ魔法の言葉を伝えてくれるのです。

何やら怪しそう?

もしかすると、何かの宗教の勧誘なのかも?

でも、紹介してくれた友人は変な人ではないし、特に危険な感じもありません。そんな気軽さで私は顔を出しました。金桂花さんの幸せを呼ぶ魔法の言葉を聞いてみようという気になったのです。

会場に三十分ほど遅れて入ったところ、五十人ぐらいの人たちが座りながら、キムおばちゃんの話を聞いていました。中には涙を流している人もいました。

この空気は何だろう?

少し異様とも思える光景ですが、会場の雰囲気は妙にあたたかい。素敵な音楽会の会場にいるような気がしました。

まったく言葉はわかりません、もちろん韓国語で話すのですから。激しく、騒がしく語ったかと思うと、そっと静かに語りはじめ、まるでクラシックを聞いているような言葉のリズムです。

キムおばちゃんの目をジッと見ていたら、隣の通訳の人が私に向かって、「もっと優しい目で見てくださいね」と、キムおばちゃんからの言葉を伝えてきました。その時、私はドキっと驚きました。五十人以上いる観客の中で、私の目を感じるなんて…おもわず苦笑いをしてしまいました。

どうやら、私の中にある心の窓、疑いと不信のまなざしを見破られてしまったようです。

苦笑いしながら、キムおばちゃんの目を改めて覗いてみると、キムおばちゃんはとても優しいまなざしで私に語りかけてきました。

なんて、キレイで優しく、あたたかなまなざしなのでしょう?

美しい人という意味ではありません。人間を見る美しさ、純粋さのことです。まるで子どものようで、まるで母のような、一瞬、私は完全にはまりそうになっていました。

しかし、キムおばちゃんはそんなことには一切おかまいなく、壇上の上から優しく語り続けています。

「こんにちは!金桂花です。韓国からやってきました。日本はとても豊かで、幸せな国ですね。わたしの町は貧しいところで、こんなに豊かなところではないけど、みなさんの何百倍もしあわせなのですよ。

それはね。本当の幸せを知っているからなの。

ねえ、みなさん、本当の幸せって知っていますか?

ねえ、みなさん、本当の幸せって感じていますか?

わたしはそれを伝えにきたんですよ!

人間って、いつも心配ばかり。まだ来ぬ未来を安じ、、恐れ、疑い、迷い、苦しみ、怯えている。どんなにお金があったって悩み続けているわ。人間は何百年、何千年たってもまったく変わらないことがわかります。ねえ、みなさん。どうしてでしょうね。みなさんは本当の幸せを感じていますか?」

うーん。

たしかにそうだけど、人の心はそんなにたやすいものではないし、そう簡単に解決できる問題ではない…。

「さて、もうすぐ新しい年が始まりますね、ではね、誰でも簡単に幸せになれる魔法の言葉をプレゼントします。よーく聞いてくださいね。それはね、たった五つの言葉を実践すればいいのよ!

それはね、

(恐れるな)

(心配するな)

(信じよ)

(与えよ)

(祝福せよ)

これだけでいいのよ!

人はいつも何かを恐れて生きているわ。まだ訪れていないことを恐れて、いつも何かに心配してばかり。これでは幸せになれないわ!だから何かに恐れを抱いたとき、自分の心に(恐れるな)って言うのよ。命令するのよ。何か心配なことがあったなら、(心配するな)っていってやりなさい。心配している人っていうのは、いつも心配ばかりしているわ、だから思いきり(心配するな)って自分にいってやるのよ。すると、恐れも心配もびっくりして飛んで逃げていくわ。

(信じよ)って言いなさいね。いつも人は何かを疑ってばかりいるのよ。別に疑うことは悪いことじゃあないけど、疑わなくてもよいことまで疑って生きているの。これってとても疲れてしまうと思うわ。疑いっていうのは、ひとつ疑いはじめると次々に疑ってしまい、白いものまでも真っ黒になるくらい疑い始めてしまうものなのよ。そんなとき自分に(信じよ)、信じなさいって命令するの。

次は、与えなさい(与えよ)、人はとてもケチ。与えてもらうものはなんでも欲しがる物欲の動物。タダならなんでも喜んで、得をしているように感じるの。愛して欲しい。与えて欲しい、理解して欲しいって、人はみんな「与えてもらいたい病」にかかってしまうの。

だから、与えて欲しいと思うときほど、人に何かを与えるのよ、だから(与えよ)って命令するの。人に何かを与えれば与えるほど与えてもらうという実感がわかるはずよ!与えてもらってばかりいると与えてもらうことが無限になり、結果与えてもらうという実感を失っていくのよ。与えるというのは別に物だけではないわ。気持ちや心だって与えられるものよ。

そして最後のひとつ、五番目の言葉。それは、(祝福せよ)。人は誰でも称えられ、誉められたい人ばかりだわ。でもね、本当に大切なことは人を祝福することなのよ!祝福には喜びや幸せ、そして何よりも感謝の心がそこにあるものなのよ。ありがとう…感謝しているよ…良かったね…おめでとう…。

どう?

これが幸せを呼ぶ魔法の言葉なのよ!この五つの言葉を毎日言葉に出して思う、伝えるだけであなたの人生は変わるのよ!

やってごらんなさい。

人生は何度でも何度でもやり直しのできるものなのよ。もちろん修正することも簡単。

祝福の中にもうひとつ素敵な言葉があるの。それは(ごめんね)。

(ごめんね)という言葉は相手をおもいやる気持ちなのよ!おもいやりの気持ちの中に祝福も含まれているの。そして、(ごめんね)という言葉、(ありがとう)(おめでとう)という言葉は、人生を修正できる言葉でもあるのよ。

そしてね。(ありがとう)という言葉は嬉しいときだけの言葉ではないわ。嫌なこと、苦しいこと、悲しいこと、辛いこと、寂しいことがあったときも、それに(ありがとう)って感謝してあげるのよ。するとね、その嫌なことでも幸せと感じることができるのよ。 これがみなさんにお伝えしたかった幸せを呼ぶ魔法の言葉です。今から試してみてください。

最後に。キリスト教の「アーメン」という言葉は『感謝する』という意味もあるのよ。これから新しい年を迎えるみなさまへ。お話を聞いてくれてありがとう。みなさまを心より祝福しています。

当時、この言葉の意味を私にはあまり理解できませんでした。

なぜって、それだけ人生が苦しすぎていました。でも十年以上たった今でも、キムおばちゃんの言葉は心の中に深く深く刻まれています。

(恐れるな)(心配するな)(信じよ)(与えよ)(祝福せよ)

毎年、正月になると、私はこの五つの言葉を想い出します。

そんな時、私の車のラジオからこんな曲が流れてきた。

それは歌手、竹内まりあさんの歌「元気を出して」でした。

涙など見せない 強気なあなたを

そんなに悲しませた人は誰なの?

終わりを告げた恋にすがるのはやめにして

ふりだしから また始めればいい

幸せになりたい気持ちがあるなら

明日を見つけることはとても簡単

少しやせた、そのからだに似合う服を探して

街へ飛び出せばほら みんな振り返る

チャンスは何度でも訪れてくれるはず

彼だけが 男じゃあないことに気付いて

あなたの小さなmistake いつか想い出に変わる

大人への階段をひとつ上がったの

人生はあなたが思うほど悪くない

早く元気を出してあの笑顔を見せて

さて、どうでしょう?

幸せを呼ぶ魔法の言葉をみなさんにプレゼント!

©Social YES Research Institute / CouCou

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